学校に残る侑は、好きがわからずに……。
自らの足で前へと進み始めた燈子。
だが、その隣は侑の居場所ではなかった。
すれ違ったまま時が過ぎ、
燈子と沙弥香は修学旅行へ。
「思いを伝える。その時は、もう来ている」
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「好き」ってなんだったんだろう? ずっと言えなかった言葉だ。ずっと言いたかった言葉だと思う。 なのに口から出てしまったら、もう正体がわからない。 失恋......って言うんだろうか? わたしは涙も出なかった。 ......わからない。心が痺れてる。 自分のものなのにどこか、遠いところにあるみたいだ。
神頼みなんて柄じゃないし、欲しいものは自分で手に入れるけど、少しだけ、勇気がほしい。 向こうの石まで…十メートルくらい? 思ったより難しいな。あと何歩くらいだろう? もうちょっと左。 そう、そのまままっすぐ… 「着いた!」
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